しばらく晴天続きの東京でしたが、今日は久しぶりに曇り空。
空気もひんやりとしていますね。
こちらに戻ってから、あっというまに一ヶ月が経とうとしています。
私はというと相変わらず朝昼晩関係のない、赤ちゃん時計で暮らしています。
自由に仕事をしていた頃と比べると、
起きる時間も食事をとるタイミングも、すべてが赤ちゃん中心なので
振り回されっぱなしですごくせわしく慌ただしいのですが
考えようによっては今の暮らしが、今までの人生で一番、のんびりと穏やかに
時間が流れているように感じるときもあります。
一日に何度もする授乳の間に、ソファーから窓の外を眺めていると
公園の木々や街路樹が日に日に色づいていき、そして葉を散らす様子や
時間とともに刻々と色を変える空も季節によって色合いが違うことに気づきます。
夜明けに起きているときは、一ヶ月前と比べてだいぶ違う位置から太陽が登る事に驚きます。
そんなとき、ふと思います。
和菓子というツールで表現する仕事をしているのに
こんなふうにじっくりと季節や時間の流れを味わったことはなかったなあ、と。
通常、イベントに合わせてデザインを考えたり、試作するのはいつも
少し先の季節のお菓子になります。
例えば夏真っ盛りのころには、暑い工房で汗を拭きながら
秋を表現するお菓子を考える、というように。
今思えば常に少し先ばかりを考えていて、肝心な目の前の季節を
しっかり感じる余裕がないことも多くありました。
それじゃあ季節を表現しようにもどこか地に足がついていないものになってしまいますよね。
そんなふうに反省していると、この育児休暇の期間が
とても贅沢で大切なものに思うのです。
とはいえ、夜中に授乳で起きるとき、
さあご飯を食べようとした瞬間に泣かれるとき、
わんわん泣くのを長時間あやしているとき・・・
そんなことは、これっぽっちも頭にありませんけど、ね笑。
実家から持ってきたかご。
私と弟が赤ちゃんだった頃、母が布おむつを入れるのに使っていたものです。
今は赤ちゃんのタオルや着替えを入れるのに使っています。
なんとなくお守りのような存在です。